【子供写真の撮り方】「カワイイ」や「キレイ」の前に押さえておくべきツボ

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power of love

子供が生まれたと同時に一眼レフを買いに走る、なんてのはよく聞く話ですが、子供の誕生は、それまで写真に無縁だった人にも写真を撮らせる強力な原動力です。

ウチもやはりご多分に漏れず、生まれた直後からかれこれ5年ばかり、子供の写真を撮り続けてきました。

今回はその経験の中から、最も大事だなと思うポイントをまとめてみました。

子供写真は「いかにカワイく」や「いかにキレイに」という、「いま」どうするかという点についてはたくさん議論されます。

もちろんそれらも大事ですが、10年後20年後に本領を発揮する子供写真においては「長期的な視点」も大切です。

長く保有する写真だからこそ、考えておきたいことがあります。

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長期的視点から見た子供写真の「目的」

まず、子供写真を撮る目的について。

子供が生まれたら写真を撮る、というのはほとんど「衝動」に近いものがあって、

なんで?」とか

何のために?

なんてほとんど頭の端にものぼらないものです。

「親が子供の写真を撮りたくなるのはあたりまえじゃないか」

で、終わってしまいそうですけど、まずはあえてそこを突っ込んでみましょう。

何のために」がわかれば自動的に「どのように」撮ればいいかがわかります。

子供の写真は何のために撮るのか?

では「何のために」撮るのか。

「作品としてコンテストに応募する」や「SNSで披露する」など、いろいろな理由があるでしょうが、それら全てを包括する「ベース」となるのが、「記念写真」としての意味です。

どんな子供写真であれ、最終的に機能として残るのが、「記念としての写真」です。

どこに行った、何をした、を繰り返して、子供は大人になっていきます。

「大人の階段の~ぼる~♪」じゃないですけど、その階段の1ステップ1ステップを写真に残していくのが、記念としての子供写真です。

そして10年後、20年後にしみじみとその歴史を振り返る。

どんな子供写真であれ、最終的にそういう使い方をしない子供写真はないと思われます。

10年後20年後に本領を発揮する子供写真

ちなみに私の場合、これはもう完全に老後の楽しみです。

もちろん、子供の写真は撮ることそのものも楽しいです。

そして撮った後すぐ見返すのも楽しいです。

撮ってすぐ毎月や毎年編集されている方も多いでしょう。

しかし、子供写真の本領は、撮って「すぐ」というよりもずっと先にこそあります。

時間が経てば経つほど、じわじわと効力を発揮してくるのが子供写真です。

5年前の写真が、もうすでに懐かしさでいっぱいなのですから、これが20年後とかになったらどうなるのか、容易に想像がつきます。

20年後、子供が大人になったあとに、しみじみと懐かしむ。

そんな老後の年金のために、日々1枚1枚と、写真を積み立てている

そんな感覚です。

そして老後には、たまった写真をもとに壮大な叙事詩を編んでやろう、と目論んでいます。(笑)

子供が大人になるまでに撮り貯めた膨大なカットを、あーでもないこーでもないとチマチマ編集するのが、老後の密かな楽しみであります。(笑)

長期的視点から見た子供写真の「撮り方」

さて、目的がハッキリしました。

子供写真とは「年金の積み立て」もとい「楽しみの積み立て」。

つまりは未来への投資です。

そのために、大切なことは、

  1. とにかく撮り続ける
  2. バリエーションに考慮を払う

この2点です。

とにかく撮り続ける

「積み立て」は、日々コンスタントに行うからこそ、積み立てられていくものです。

ストップしたり間が抜けたりしてしまっては、満期が来た時点で「満額」にはなりません。

もっとも大事なのは、とにかく続けることです。

私の場合、撮ってすぐどうこうしようとは、あんまり考えていません。

基本、撮りためていくために撮っています。

しかし、今すぐ必要ではないことを「続ける」のは、なかなか大変です。

ですから、続けるためには「それ自体を楽しむ」というスタンスが重要です。

人は何かを続ける場合、「楽しいこと」や「好きなこと」じゃないと続きません。

いくら先々に楽しみが待っているとはいえ、いま現にやる作業が苦痛であるなら、続けるのは難しいです。

ましてや義務でも何でもないことです。

そこで続けるために出した結論は、好きに撮るということです。

「好き」じゃないと続かない

はじめの頃は私も、ゴツい一眼レフのフルセットで、ほとんど「仕事?」っていうくらい気合を入れて撮っていました。

どこへ行くにも、ショルダーバッグいっぱいに詰まった機材を持ち運んでいました。

しかし、それだとホントに撮ることが「仕事」になってしまって、長続きしませんでした。

で、路線変更です。

撮ることを楽しまないと続かない!

具体的にやったことは「機材の変更」です。

「一眼レフ」から「M型ライカ」(レンジファインダーのフィルムカメラ)にスイッチです。

一眼レフからレンジファインダーへ

switch!!

M型ライカの利点は

  • コンパクトで持ち運びが苦にならない。
  • カメラを操作すること自体が楽しい。
  • フィルムの質感が素晴らしい。

です。

M型ライカで撮る子供写真

まずはなんといってもコンパクト。

カメラはそもそも、持っていなければ何も撮れません

コンパクトであれば、どこへでも持っていこうという気になれます。

そして、ライカは操作自体が楽しい!

フルマニュアルのレンジファインダーカメラなんて、それはもう一眼レフに比べたら圧倒的に撮れません!

ライカでスナップ写真を撮る、超具体的な方法
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(↑この記事にも「撮れなかった時のくやしさまで含めて楽しむのがライカ」なんて書いてあります)

一眼レフからライカにスイッチすることによって、撮りこぼしているカットは数知れないでしょう、正直。

しかし、そんなことよりも、続くことのほうを優先したのです。

ライカで写真を撮ることは、一眼レフに比べたら圧倒的に撮れませんが、圧倒的に楽しいのです。

フィルムの装填、巻き上げ、露出合わせ、ピント合わせ、シャッターの感覚、全てがです。

それは、運転自体が楽しいのは、AT車よりMT車であるのと同じです。

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そして、なんでミラーレスとかじゃなくライカなのかというと、それは「フィルム」にこだわりがあるからです。

フィルムの画質が好きだからです。

デジカメ世代のためのフィルム撮影ガイド
デジカメの撮影って、実際のところ複雑で疲れませんか?そんなあなたに、シンプル&スローなフィルム撮影の魅力をわかりやすくお伝えします。

とくに子供写真はフィルムで撮る意義が大いにあります。

20年後にしみじみと懐かしむ場合、大事なのは「高画質」ではなく「好画質」です。

フィルムには、どんな場面もしみじみと「ああ、よかったなぁ」と思わせてしまう不思議な特質があります。

アナログ特有の「隙」が「好き」につながっているのかもしれません。

何はともあれ、そうやって「好き」「好き」「好き」を集めて「好き」に撮る。

これが続かないはずがありません。

「続ける」は「好きに撮る」によって、楽々とクリアすることができます。

子供写真のカメラ選び

ですから、子供写真においてカメラ選びのアドバイスをするならば、いかにキレイに撮れるかや、いかに便利かよりも、自分にとって使うのが楽しい、「好きなカメラ」を選ぶことをオススメします。

私の場合それは、一眼レフよりも圧倒的に撮りにくい、フルマニュアルのライカであり、デジタルよりも圧倒的に手間ひまコストがかかるフィルムカメラでした。

ハッキリ言って一般的にオススメされるようなカメラとは 真逆です。

ですからみなさんの場合も、他人のオススメを鵜呑みにするのはオススメできません。

デジタル一眼レフを買っておけば正解、という単純なものではないはずです。

よりコンパクトなミラーレスのほうがいいかもしれませんし、フィルムカメラのほうが楽しいかもしれません。

いずれにしても「好き」のほうが「便利」よりも圧倒的に長続きします。

「好き」の力を写真に応用する方法
「好き」ってのは、なんとも心に響く言葉です。その「心に響く」影響力を写真に応用してみましょう。今回は「好き」を写真に応用する方法について。

バリエーションに考慮を払う

「続ける」の次に大事なのは、写真のバリエーションです。

なんでバリエーションに考慮を払うのかというと、そのほうが撮るときに楽しい、ということは、もちろんあります。

それと同時に、将来の「見る」時点や「セレクト」する時点において、バリエーションがあったほうが圧倒的に楽しいからです。

バリエーションカットの効果

子供の写真というと、とかく「笑顔で」とか、「正面から」とか、何も考えずに撮ると、ほとんどパターン化したカットになってしまいがちです。

写真集やフォトブックで使える!写真レイアウトのコツ
写真の配置やレイアウトは、写真を撮る技術そのものとはまた別の技術であり、どちらかと言えばデザイナーや編集者の範疇です。なじみのない方も多いと思いますので、なじみのある映像作品との関連から、レイアウトを説明してみたいと思います。

ですから「あえて」変化をつけることで、バリエーションに変化を持たせる必要があります。

  • いろんな表情
  • いろんな動作
  • いろんな角度

…等々。

そして普通に撮ると、人物のフレームいっぱいの全身写真やアップの写真ばかりになってしまうところを、

  • シチュエーション全体がわかる全景
  • 手元足元などのディテール
  • 人だけでなく小物などのパーツや風景

といったバリエーションを「あえて」撮っておくと、きっと後々の楽しみが増えるでしょう。

お台場

「どこ」かがよくわかる全景

ローアングル

足元だけも、当時履いてた靴が思い出されます

セミの抜け殻

ブツで季節感も

遊んだおもちゃ

「よくこういうことするよね」っていうおもちゃ類

こういった、細かいバリエーションカットが、意外とその時、その場所の情緒をよく伝えて、非常に有効なカットになったりします。

「あー、あのときああだった、こうだった」と、後々振り返るとき、実に豊富な情報を提供してくれるのです。

子供写真は「完成度」よりも「キッカケ力」

思うに写真の良さって、現実を超えてくれるところだと思います。

大したことなかったはずの現実が、写真となって後から振り返るとき、不思議なくらい素敵な時間だったと思えてしまうのです。

そしてそんな美しい記憶を引き出す「トリガー」の役目を果たすのが「写真」です。

断片でしかない一枚の写真から、音や匂い、感じたこと考えたこと、会話や気温まで、実に豊かな情報がよみがえります。

そういう意味で、子供写真において「写真そのもの」にはあまり意味はありません。

本当に大事なものは、当事者の記憶の中にあり、写真はその記憶を引き出すトリガーに過ぎないのです。

そんなトリガーにとって大事なのは、いかに美しい情報を引き出してくれるかという「キッカケ力(りょく)」です。

それを見ることによって、どれだけの質と量の情報が引き出されるか。

子供写真に求められるのは、そんな「キッカケ力」です。

ですから子供写真には、コンテストに入賞するような「写真としての完成度の高さ」は、べつに必要ありません。

「完成度」が必要なのは、他人にとってだけです。

美しい記憶は「当事者」だけのものであり、それを引き出す写真も、当事者にとってだけ必要なものです。

トリガーとしての写真は、がんばって完成度を上げる必要はなく、「断片を拾う」という撮り方で十分です。

がんばりすぎて撮影がイヤになってしまうくらいなら、細々とでも続くほうが全然いいです。

子供写真特有の「長期的視点」

そして、私たちの記憶を引き出してくれるそんな「トリガー」としての写真は、バリエーションを持たせることによって、より豊かに、より立体的に物語をつむぎだしてくれます。

すっかり忘れていた記憶さえも、鮮やかによみがえらせてくれるのが、写真というものです。

すなわち、バリエーションは有効です。

写真そのものというよりも、「キッカケ」の意味で。

いろいろなトリガーを仕込んでおけば、後々構成される物語が、より豊かに、より立体的に再構成されることでしょう。

カワイイ・キレイといった「写真そのものの出来不出来」という短期的な視点だけではなく、「このカットを撮っておけば後々こういう効果が期待できる」という「長期的視点」。

意外と盲点ですが、長く保有する子供写真にとっては欠かせない要素です。

まとめ

今回は子供写真の撮り方ということで、かなりベーシックな部分、根本的な部分について解説しました。

子供写真といえば、「どうやってカワイく撮るか」や、「いかにキレイに写すか」というテクニック的な部分に目が行きがちです。

しかし子供写真の場合、「その場をどうするか」という短期的な視点とともに、10年後20年後という「長期的な視点」も欠かせない要素です。

それは、子供写真に「記念写真」という、長期的なスパンに基づいた重要かつベーシックな機能があるからこその視点です。

では、その視点において大事なポイントを、改めて確認しておきましょう。

  1. とにかく撮り続ける
  2. バリエーションに考慮を払う

この2点です。

そのためには、

  1. 好きに撮る
  2. 後々の効果も考えて撮る

ということに注意してみるといいでしょう。

やっぱり残しておきたい子供写真

子供写真って、生まれた直後がピークで、その後どんどん撮影枚数が減っていき、フェードアウト、という流れも少なくありませんね。

しかし、子供写真において「0枚」と「1枚」の差は非常に大きいです。

全くないよりは、1枚でもあったほうがいい。

そして1枚あるなら、バリエーションも、1枚でもあったほうがいい。

そんなふうに、細々とでも続けておくと、我々の老後も安泰です。(笑)

みなさんも経験あると思いますが、撮っておいて「よかったな」と思うことはあっても、撮っておいて「しまったな」と思うことは、ほとんど 皆無です。

というわけで撮りましょう。(笑)

10年20年と積み立てた子供写真の利率は、年金の比じゃありません。