運動会の写真撮影。動きが早くてむずかしい、撮影場所が限られていて、子どもが小さくしか撮れなかった…。
やってみて初めてわかるいろいろな失敗がありますね。
これらは事前の機材選定によって、ある程度カバーできる部分もあります。(あとは当日の写真の腕!)
今回は運動会の写真撮影で、これがなくてどうやって撮るの!?という必須アイテムから、あると便利な小物までご紹介します。事前にぜひチェックしてみてください。
(運動会の撮影方法についてはこちら↓)
目次
運動会の撮影の特徴
まず、運動会の写真撮影の具体的な特徴を見てみましょう。
- 動きのある被写体
- 限られた撮影場所
- 被写体の位置が遠かったり近かったりまちまち
- 撮り直しできない
これらの特徴に対応するための機材を揃えることによって、万全の体制で撮影に臨むことができます。
運動会に必要な機材
それでは具体的な機材の内容を見ていきましょう。
レンズ
まず、必須アイテムは望遠レンズです。
これが無いと、撮影場所から子どもまで距離がある場合に、とっても小さくしか撮れません。35mm換算で200mm、できれば300mmあった方が良いでしょう。
また、動けない位置からのフレーミングの調整ができるので、単焦点よりもズームレンズのほうが便利です。
その中でもオススメはズバリ「高倍率ズームレンズ」です。
1本で28mm~300mmまで対応できるようなレンズです。
そのメリットは、
撮影のバリエーションが増える
広角撮影のダイナミックな絵柄から、印象的な表情アップまで、レンズ交換なしに1本で撮れてしまいます。
後から見返した時に、子どもの全身やバストアップの写真ばかりだとちょっと物足りないですよね。
会場全体の雰囲気から、小物や表情などまんべんなく織り交ぜることによって、より見ごたえがアップします。
高倍率ズームであれば、広角から望遠まで、1本でカバーできるので、思いついた絵を素早く撮ることができます。
レンズ交換不要
運動会の撮影では、なにしろ機動力が重要です。プログラムはどんどん進行しますし、撮り直しは効きません。
レンズ交換する手間も無く、素早く焦点距離を変更できるのは大きなメリットです。
また、会場は子どもたちが大勢走り回っていて、砂ぼこりやチリが舞っています。カメラのマウント内へのほこりの侵入を避けるため、そんな中でのレンズ交換はできればしたくないものです。
デメリットは?
もちろんデメリットもあります。
当然ながら単焦点レンズや、倍率が低くてより明るいズームレンズに比べれば画質は落ちます。また、F値も暗いです。
しかし問題は何を優先するかです。運動会で優先したいことは、画質云々よりも、その絵が実際に撮れているかどうかです。なぜならそれは、その場でしか撮れない子どもの貴重な1シーンだからです。
レンズ交換をしていたために、「そもそもその絵自体が撮れていない」というよりも、画質は多少悪くても「撮れている」ことのほうが優先順位が高いと考えます。
よーいドンからゴールまでの間に、レンズ交換なんてやっているヒマはありません。
高倍率ズームであれば、ふと思いついた絵にもレンズ交換することなく素早く対応できます。
画質や明るさを優先して他のレンズを使用していては撮れなかった絵が、実際に撮れるのです。
これは運動会の撮影においては大きなアドバンテージです。
また、暗いF値については、運動会では動く被写体にピントを合わせるため、ある程度絞って使うことになります。(絞ったほうがピントの合う範囲が広くなる)
そのためf5.6以下で使うことはほぼないので、解放F値がF5.6程度であっても問題ありません。
また、日中の屋外であれば、そのための明るさも十分にあります。
カメラボディ
これは一眼レフが望ましいでしょう。
シャッタータイムラグと液晶の表示遅延
コンパクトデジカメやミラーレスだと、一眼レフに比べてシャッタータイムラグが大きく、また、液晶画面の表示遅延もあり、「ここだ!」思った瞬間にシャッターが切れません。
シャッターを押してから実際にシャッターが下りるまでに、微妙に時間差があるのです。
また、液晶画面の表示もリアルの進行からワンテンポ遅れて表示されますので、それを見ながらシャッターを切るとリアルでの動作はもう終わっている、ということがあるのです。
これは、運動会のような動きのある被写体を捉える時には、大きなマイナス点です。
また、連射性能、AF性能などを比べても、やはり一眼レフのほうに一日の長があります。
オススメ一眼レフ
そんな中でもオススメは、背面液晶がクルリと回転するものです。
運動会の撮影では、場所取りの関係上、人だかりの後ろから撮らなければいけないこともあります。
そのようなときに人の頭越しにカメラを持ち上げて撮ることができます。
また、カメラを地面すれすれにして超ローアングルで撮る時にも寝ころばなくて済むので便利です。
ただし背面液晶を見ながらのライブビュー撮影では、コンパクトデジカメやミラーレスと同じようなタイムラグが発生しますので、ご注意ください。
また、AFも遅くなります。
三脚・一脚
結論から言うと三脚や一脚については、必要ありません。
そもそも三脚や一脚を使う意味は、
- 手ブレを防ぐ
- フレーミングを固定させる
というものですが、運動会の撮影では両方不要のものです。
手ブレについて
運動会ではかけっこでもブレない程度のシャッタースピードで撮るので、1/500とか1/1000以上です。
そして、手ブレをしないシャッタースピードは「1/焦点距離」と言われています。
つまり300mmで撮っても手ブレしないシャッタースピードで撮影していいるのに、手ブレ防止のために三脚を使うというのはナンセンスです。
フレーミングについて
また、フレーミングを固定させるということは、素早いフレーミングの変更ができない、ということです。
高さを少し下げるのでも、三脚に据えていては、まずセンターポールの固定ネジをゆるめ、クランクをくるくると回して下ろし、再びネジで固定するという、大変まどろっこしい動作が必要になりますが、手持ちであればスッとしゃがむだけです。
そもそもそんな余計なものを付けていては、動きの速い被写体に対応できませんし、とっさのフレーミングの変更にも対応できません。おまけに移動にも不便です。
つまり運動会で三脚や一脚は必要ないという結論です。
カード・電池
撮り直しの効かない運動会撮影では、カードや電池についても特別の考慮が必要です。
カード
カードは大容量のものを使用し、基本交換しないですむようにしましょう。
なぜなら、重要なシーンの最中に容量切れは起きるものだからです。
容量が少ないカードを使用する場合は、なるべくたくさん持参し、残量があっても早めに交換するようにしましょう。
とにかく「なんで今!?」っていうタイミングでカード残量は無くなるものです。
大容量のものにして、容量のことを気にせずにすめば、より撮影にも集中できます。
電池
また、電池についても、予備は必ず持参し、早めの交換を心がけましょう。
こちらも同じく、「なんで今!?」っていう時に切れますので。
その他小物類
屋外の運動場では、子どもたちが走り回ることもあり、砂ぼこりやチリが舞います。
レンズにはプロテクトフィルターを付けて、フードも付けておいたほうがよいでしょう。
また、ファインダーやレンズのホコリ払いのために、ブロアがあると便利ですね。
砂ぼこりがついた状態で直接レンズをクロスで拭くと、レンズを傷つけることになりますので、ご注意ください。必ずブロアで吹き飛ばしてからにしましょう。
まとめ
以上、運動会で必要な機材について見てきました。
これから機材を揃えられる方は、どうぞ参考にしてみてください。
望遠レンズに関しては、高倍率ズーム1本ではなくても、一眼レフを買ったときについてきたダブルズーム2本でももちろんOKです。
ともかく望遠レンズ(200~300mm程度の望遠域)に関しては、無いと悔やむこと必至です。
安くても何でもいいので、ご持参されることをオススメします。
また、わざわざ買うのはもったいないという場合は、機材レンタルという手段もあるので、こちらも合わせて検討してみてください。
いい写真を撮ろうと思うとお金がかかってしょうがないですが、予算の範囲内で上手に機材を揃えて、満足のいく写真が撮れるといいですね。
そして機材は使いこなすことが重要なので、慣れていない場合は、本番までに近所の公園などで使いこなせるように練習しておくと良いでしょう。