最近は七五三の神社へのお参りに、プロカメラマンを手配する方も増えてきました。
しかしこのビッグイベント、「自分で撮りたい!」と思われるカメラ好きなパパママも多いことでしょう。
今回はそんなパパママ(あるいは、おじいちゃんおばあちゃん)への、七五三のお参り時におけるスナップ写真のアドバイスです。
撮り直しがきかない撮影ですので、この記事を参考にしっかり準備して臨みましょう。
目次
撮影前の準備編
それでは撮影前の準備からお話ししていきます。
まず大前提として、カメラや機材の準備は前日までに終わらせることが基本中の基本です。当日ばたばたとやっていると、必ず肝心なものを忘れたりします。前日までに、余裕を持って終わらせましょう。
撮影リストの作成
当日撮っておきたい撮影内容を、リストにしておきます。何しろ撮り直しがききませんので、終わった後に「あ!あのシーン撮っておけばよかった!」と思っても後の祭りです。本番前から、撮りたいシーンを思いつくたびにメモしておくとよいでしょう。
また、あれもこれもとあまりにたくさんリストアップしてしまうと当日大変になってしまうので、リストは「必ず撮っておきたいシーン」のみにしておいて、あとは当日の流れで思いついたカットを押さえていくのがベターです。どうしても多くなってしまう場合は優先順に「◎」「○」「無印」と、印をつけると良いでしょう。
また、リストは時系列に並べておくと撮りやすいです。
具体的なリスト例。
- 鳥居前で集合写真
- 本殿前で集合写真
- 千歳飴を持った子ども
- 手を合わせる子ども
- 神主・巫女さんの入った絵(可能なら)
- 母子ツーショット
- 父子ツーショット
- 神社全景
- 着物や髪飾りのディテール…等々
撮影機材の選定
本格的な「作品」を撮りたい!という人から、カンタンな記録でOKという人まで、意図も意気込みも人ぞれぞれだと思います。
「一眼レフのフルセット」から「コンパクトカメラ1台」まで機材も人ぞれぞれだと思いますが、ここでは七五三のお参りという観点から「なるべく身軽に」ということと「コンパクトである利点」についてお話しします。
なるべく身軽に
スナップ撮影は身軽であればあるほどいいのは、言うまでもないことです。ではどれくらいの量がいいのか?
心配性の方は特に、撮影機材が多くなってしまいがちですが、「持って行ったはいいけど結局使わなかった」という経験は、みなさんおありではないでしょうか。
特に七五三のお参りなどは、自分も参加者の一員であって、カメラマンに専念していればよい、というわけではありません。
普段より撮影に割ける集中力は少なくなりますので、「結局使わなかった機材」はいつもより多くなりがちです。機材の選定はよく吟味し、ムダを極力減らすのが成功の秘訣です。
コンパクトである利点
機材、特にカメラがコンパクトである利点は、「人目につかない」ということです。
境内での撮影はNGという場合もありますが、それは営利目的のプロカメラマンであって、個人利用のスナップ写真の場合はほとんど問題ありません。(それがカメラマンを雇うのではなく、自分たちで撮る理由のひとつにもなりますが)
その場合、小さなカメラで撮っていれば、ああお父さんだな、と分かりますが、でっかい一眼レフでシャッター音も高らかにバシャバシャ撮っていると、「ん?」と思われる可能性があります。
また、社殿内で撮影がOKだとしても、シャッター音の大きなカメラだと、気がひけて撮影に集中できないこともあるでしょう。
なにしろスナップ撮影において「目立っている」のは撮りにくいものです。
そういうのが全く気にならないなら良いですが、そうでない場合はカメラを選ぶ際、「コンパクト」で「静かな」という観点も考慮してみるとよいでしょう。
※境内や社殿での撮影OK or NGについては、事前に確認しておくと安心です。
あると便利な小物
お子さんが小さいときは、目線をもらうために、お気に入りの人形や、音の出るおもちゃがあると重宝するでしょう。また、飽きたり機嫌が悪くなってきた時のために、おやつを少々もっていくのもよいですね。
準備で最も注意する点
最初にもお伝えしましたが、カメラや機材の準備は前日までに終わらせましょう。
その際、カメラを忘れる人はまあいないと思いますが、電池の残量、そしてカードの残り容量は、意外と盲点です。
「電池がない!」「カードがもういっぱい!」となると、他の装備がどんなに充実しててもそれ以上撮ることができません。終了です。
- カメラ(レンズ含)
- 満充電された電池(及び予備)
- 残量のしっかりあるカード(及び予備)
最低限これだけあれば撮影ができますので、まずはこれらをしっかりと準備し、その後にその他のものを加えていきましょう。
撮影当日編
さて、これで準備はしっかりできましたね。
それでは撮影当日のポイントを見ていきましょう。
家を出る前から撮り始めましょう
神社に着いてから撮影開始というのは、実にもったいないです。
おうち、または美容室で準備しているシーンから撮り始めるとドキュメンタリーとして、より深みが増します。そして意外とそんなシーンにこそ、後々見返したときにジーンとくるような場面が残っていたりするものです。
また、早い段階からカメラに慣れてもらうことによって、肝心なところでより自然な写真が撮れる、というメリットもあるでしょう。
本番中は常に手元にカメラを
スナップ写真は、いつ何時シャッターチャンスがやってくるかわかりません。カメラは常に手に持つか首から提げるかして、すばやく対応できるようにしましょう。
また、もたもたと設定している間にチャンスを逃すことが無いよう、撮影モードはオートかそれに準ずるものがよいでしょう。
マニュアルで撮影する場合は、シーンが変わるごとに、まずはその場に設定を合わせておきましょう。
いい瞬間が訪れるのを待ちましょう
撮りたいシーンが見つかったらパッとカメラを向けて、パシャっと一枚撮って終了、となっていませんか?それだとベストな瞬間を残すのはむずかしいです。
撮りたいシーンが見つかったら、まずパシャっと一枚押さえるのはOKですが、そこからしばらくフレーミングを固定したまま、さらにいい瞬間が訪れるのを待つのです。もっといい表情が撮れるかもしれないし、もっとバランスのいい配置になるかもしれないのです。
イベントの進行がありますので、ねばり続けることはむずかしいですが、少なくとも同じシーンで3、4枚はシャッターを切りたいところです。
人物だけでなく、モノや情景も
撮影者がパパやママならなおさら、わが子カワイさに子どもにばかりレンズを向けがちですけど、ここは一呼吸置いて、まわりの状況や場面にも目を向けて見ましょう。
ほら、風の音が聞こえてきませんか?それから葉っぱの色づきや空気の匂い…。
鳥居や狛犬といった、神社ならではの情景や、葉っぱや空の色などの季節感。また、神社の全景や衣装のディティールといった要素も残しておくと、あとあと見返すときにさらに余韻が深まりますね。
集合写真のコツ
社殿の前などで、参加者全員の集合写真は必須カットのひとつだと思いますが、その際の注意点をいくつか。
必ず全員の顔が見えるように(他の人と顔がぶらないように)
これは大人数になるほど意外と見落としたりします。あわてず全員の顔がしっかり見えるのを確認してから撮りましょう。
また、「カメラ見えてますか~」と声をかけて、写る人たちからカメラが見えてればOKというやり方もあるようですが、それだと「目」は見えていても「あご」が前の人とかぶっていたりします。キチンとカメラマンが目視で確認するのが基本です。
コツとしては、人物の「顔」だけに着目して、密集していたら程よく散開させるとよいでしょう。
目つぶり回避
目つぶり回避のために、ベタですが「はいチ~ズ」などと声をかけるのも効果的です。撮られる人にシャッターのタイミングをわかってもらうのがコツですね。
また、小さなお子さんで目線が泳ぐ場合は、アンパンマンの人形や、音の出るおもちゃで注意を引くのも手です。
「全員の目が開いてる写真がいっこもない!」ということが無いように、撮影後はモニターでの確認が必須ですね。
衣装のみだれはきちんと直して
これは後から気付くパターンが多いのですが、ネクタイが異様に曲がっていたり、着物の袂がひねくれていたり、いろいろあります。
撮影リストがあれば、集合写真のところに「衣装整える!」と書いておくのも手でしょう。
なにしろ取り直しがきかないので、落ち着いてよくチェックしましょう。
余裕があれば人物アップと背景を大きく入れたパターンも
だいたいフレーミングの基準は、人物と背景を程よく入れる、ということになるでしょうが、余裕があれば人物アップの写真(表情がよくわかる写真)と、ぐっと引いて(広角側にズームしてもOK)背景を大きめに取り入れた写真の2パターン撮っておくと、バリエーションが増えてなおグッドです。
撮影者も写真に入るのをお忘れなく!
これはすごく大切なことです。
撮影に夢中になるあまり、自分の入った写真が一枚も無かった、というのでは悲しすぎます。たびたびママに(パパに)カメラを渡して、自分が入った写真も押さえておきましょう。
また、集合写真時は通りすがりの人などにお願いして、必ず自分も入った全員の写真を残しておきましょう。その際誰にでも声をかけるのではなく、立派なカメラを持った、写真のウマそうな人に声をかけるのが、コツと言えばコツです。(笑)
まとめ
さて以上、七五三お参り時におけるスナップ写真の撮り方を見てまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
ポイントをまとめてみましょう。
準備編
- 撮影リストがあると便利
- 機材は身軽なのがベター
- カメラはコンパクトで静かなほど、撮りにくい状況でも撮りやすい。
- 「電池残量」と「カードの残り容量」に注意!
- 子どもの注意を引くおもちゃや、飽きてきた時用におやつがあると重宝。
- 準備は前日までに終わらせよう!
撮影編
- 家を出る前から撮り始めましょう
- カメラはいつでもすぐに撮れるよう、常に手元に(そういう意味でもコンパクトなカメラはベター)
- よい瞬間を見極めてシャッターを切りましょう(1シーンに3、4枚)
- 人物だけでなく、モノや情景も押さえましょう
- 集合写真は「全員の顔」「目つぶり」「衣装のみだれ」をチェック。
- 撮影者もしっかり写真に写りましょう
「七五三のお参り」というのは、家族にとってビッグイベントです。そんな撮影には十分気合も入ろうかと思いますが、大切なのは余裕です。楽しみながら余裕をもって撮影するのが、いい写真を撮る最大の秘訣ですね。
この記事を参考に、ぜひ素敵な写真をたくさん残してください!