【ライカM6】修理から学んだ4つのこと

【ライカM6】修理から学んだ4つのこと

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ライカM6

ライカM6をお使いの皆さん、こんにちは。

今回は私がライカM6をぶっ壊してしまい、修理して無事復活する過程から学んだことをお伝えしたいと思います。

いやホントいい勉強になりましたョ。

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写真に限らず自由に書いています。思ったこと、考えたこと、感じたこと。写真はほとんどフィルムとライカと50mmです。ブログのほうではもちょっと専門的なことを書いています。→

目次

ぶっ壊すまでのあらまし

まずはどのようにぶっ壊れるに至ったかをご説明したいと思います。

アブナイ要素① パンパンのカメラバッグ

そもそもの発端は子どもを連れて実家に帰った時です。旅の道連れはコンパクトなライカと決まっているので、今回も専用のソフトバッグに入れて持って行きました。

内容は、

  • ボディ1台
  • レンズ3本(28mm,35mm,50mm)
  • ストロボ1台
  • 露出計(SEKONIC ツインメイト L-208
  • フィルム12本
  • ブロア、レンズクロス
  • 電池類
  • ペン類
  • 財布・小銭入れetc.

これらをですね、エツミのシュープリームSという、かなりコンパクトなカメラバッグに入れています。

コンパクトなのはすごくいいんですが、実際これだけ入れるとパンパンです。

まずまあそういう伏線があります。

アブナイ要素② 車のトランクに入れる

そもそもライカのようなカメラは、肌身離さず持っていなければいけません。いつ何時シャッターチャンスが訪れるかもしれないし、そのためのライカです。

しかしながらその時はうっかりながら荷でいっぱいの車のトランクに放り込んでしまいました。しかもハッチバックの軽。気の緩みとしかいいようがないですね。世の中に巻き起こる大惨事も、そもそもの原因は一瞬の気の緩み、ということが多いような気がしています。

結末

以上2つのアブナイ要素が引き起こす結果が、「落下」。これに尽きます。

トランクを開けた瞬間に「コロン」とアスファルトに落下。以上です。高さは大人の胸くらいですかね。そんなに大きな音はしませんでした。一応バッグにクッションも入ってますし。だから実際に使う段階まで全く気が付きませんでした、巻き戻しクランクが変形していることに

フィルムカウンターが25くらいで止まってしまって、「あれ、おかしい」ってなって、24枚撮り?とその時は本気で思いました。そんなことは無いはずなのに。(24枚撮りを使うことはまずありません)

あれ?あれ?っとあちこちひっくり返して見ているうちに、ようやく発見しました。その変形を。それくらいパッと見目立たないものでしたが、クランクが回転しないくらいの立派な変形です。楕円形です。いやむしろたまご型です。

それでは、この時点での教訓をまとめておきましょう。

教訓その1

  1. カメラバッグはパンパンにしない。
  2. M6は巻き戻しクランクが弱点だ!

1.については、クッションがあるからと安心していてはいけないということ。中がパンパンで圧力がかかっていると、当たり所によっては変形するくらいのショックを与えることも可能

2.はMPでノブ式の巻き戻しに戻った時に、「そっちのほうが耐久性あるから」的なことをライカがアナウンスしていたらしいですが、身にしみて体感しました。大半の人が、「そんなことあるかい、クランク式のほうが便利じゃ!」と思っていたと思いますが、実際私はこの件でMPに買い替えようかと本気で思いました。(予算的に非現実的な話ですが)

修理編

さて、そんなこんなで修理編です。

銀座ライカにて

まずは銀座のライカストアに持ち込みました。高級ブティックのようなたたずまいです。さすがはライカ、修理スタッフも白衣を着ています。どこか研究所のような雰囲気です。

まず、見積りに3,000円かかりました。(以後、価格は全て税別)これは実際修理するとなった場合には、修理料金から差し引かれます。ではお願いしますと預けました。

30分くらい待ちましたかね。平日の午前で、私以外に客はいません。いや、あとから一組来ました。銀座らしい小奇麗な熟年カップル。ライカが似合いそうなおじさまです。スタッフと楽しげに談笑しています。

待つ間、「ライブラリ」のような書棚から、写真集が自由に閲覧出来ます。これだけでも結構来た甲斐がありました。ここの書棚は本当にオススメです。ここだけで半日、いや2~3日は過ごせそうです。

空調の効いた薄暗い部屋で「土門拳の早稲田アルバム」を熱心に眺めていると、しばし時を忘れます。ふとお呼びがかかり、当該機をお盆に載せた白衣の紳士が見積り報告をしてくれました。まず、巻き戻しクランクの部品交換がウン千円、それから落下のショックでピントがずれているので、その調整がウン万円。ふむふむ。

それから落下のショックでフランジバックにゆがみが生じています。この修理に17万円、それからドイツ送りになるため、期間は3~4ヵ月かかります。なお、調整で直らず部品をそっくり交換となった場合はさらに14万円以上かかる場合もあります。

・・・。

ひとまずライカを後にし、以前オーバーホールでお世話になったことがある「ウメハラカメラサービス」に向かいました。

ウメハラカメラサービスにて

後楽園のほど近くにあるマンションの一室。カメラの修理屋さんは無限遠の調整のために高い場所にあるというご多分にもれず、9階にあるそのお部屋は先ほどとはうって変わってアットホーム。なにしろマンションの一室ですから。

ライカ担当の方に一通り説明をし、カメラを預ける。15分くらい待ちましたでしょうか。結果を伺います。

まず、フランジバックのゆがみ、こちらはライカの定める基準内ですので大丈夫です。それからツブれた巻き戻しクランクは中古部品のストックがあるので、こちらで良ければ無料です。それからピント調整、分解しないで出来る範囲で調整してみましたが直りきらないので、分解調整が必要です。こちらは25,000円です。計25,000円。期間は2週間

不思議な話があるものです。先ほどライカで修理が必要と言われたフランジバックのゆがみが、今度は基準内だからOKです、と。実際に測定器をのぞかせてもらいましたが、確かに基準の目盛り内です。

選択

妥協を許さないクラフトマンシップか、程よく使える現実主義か、要するにそういうことだと解釈しました。成城石井で買うのか近所の八百屋で買うのか、問われているのはそういうことだと思います。(違う?)

もちろん私の選択は言うまでもありません。そして修理後の撮影の結果にもカメラの操作にも何らの問題も発見されなかったことを申し添えておきます。

さてこの結果から我々が学びとれることは何でしょう?まとめます。

教訓その2

  1. 修理見積りは1社の言うことを鵜呑みにせず、複数取るのが望ましい。(セカンドオピニオン)
  2. 「落下」(アタリ)は当たった部分のみならず、目に見えない部分含め各所に影響を及ぼす。必ず総点検が必要

特に初めて「落とした」「ぶつけた」という修理事ビギナーの方には、上記の教訓は役に立つのではないでしょうか。そして必ず成城石井で買うのか近所の八百屋で買うのか、という選択を迫られる時がくると思います。その時に冷静な判断が出来るように、今このことを知っておくことは大変有意義だと思います。

まとめ

それでは今回の教訓をもう一度おさらいしましょう。

  1. カメラバッグはパンパンにしない。←落っことした時ショックを受けやすい。
  2. M6は巻き戻しクランクが弱点だ!←だからこそ注意が必要!いっそMP?
  3. 修理見積りは1社の言うことを鵜呑みにせず、複数取るのが望ましい。←特に1社目が高額な場合
  4. 「落下」(アタリ)は当たった部分のみならず、目に見えない部分含め各所に影響を及ぼす。必ず総点検が必要。←撮影に影響がないなら必要無いかも!?

さて、以上見てきたように、経験から学び、そしてそれを分かち合うことは、とても意義のあることですね。私も数多くの先達に学び、ここまできました。今後も役に立つ情報があれば、みなさんと共有していきたいと思います。

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