初心者に贈る「一眼レフ=いい写真が撮れる」わけではない話

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一眼レフカメラ

「良い写真を撮りたければ、一眼レフを買わなければいけない。」理由もなく、こう思い込まされてはいませんか?

「一眼レフ=いい写真が撮れる」という図式がまことしやかにまかり通っていますが、果たして本当にそうでしょうか?

一眼レフのそもそも何たるかを知ることによって、事の真相を明らかにすることができます。

今回は、特に初心者の方へ向けて、一眼レフの現実についてのお話。

photo:胖胖豬

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一眼レフってそもそもどんなもの?

一眼レフってそもそも何なのか?

「いいカメラ」

漠然とそんなイメージしかないかもしれません。

まずは一眼レフそのものについて知りましょう。

一眼レフとはカメラの「方式」の一種

カメラには、一眼レフの他に、「コンパクトデジカメ」や「レンジファインダーカメラ」などがありますが、これらは要するに、そのカメラが作動する「方式」の違いです。

参考:【一眼レフユーザーの皆さんへ】知ったら使ってみたくなる!?レンジファインダーの真の魅力

コンパクトデジカメは、簡単さや便利さを重視し、拡張性や撮影の自由度をなくしたものです。

レンジファインダーは、距離計と呼ばれる、ピント合わせの仕組みを組み込んだカメラです。オートフォーカスが使えないので、今ではあまり一般的ではなくなりました。

それでは、一眼レフの方式ってどんなもでしょうか。

一眼レフの特徴

一眼レフ方式の大きな特徴は、

  • レンズ交換ができる
  • レンズを通した画像をファインダーで見れる

この2点です。

では、この特徴には、どういった意味があるのか?

レンズ交換ができる

レンズ交換ができるということは、すなわち、撮れる写真のバリエーションが増えるということです。

超広角で思いっきり広く写すのも、超望遠で思いっきり遠くの被写体を写すのも、そしてマクロレンズで思いっきり寄って撮るのも、一台のカメラで出来てしまうのです。とても便利ですね。

レンジファインダーもレンズ交換できますが、構造上、望遠やマクロが苦手です。

レンズラインナップの豊富さについては、一眼レフの独壇場です。

レンズを通した画像をファインダーで見れる

レンズを通した画像をファインダーで見れる、それはどういうことかというと、実際に写真になる画像を撮る前にそのままの形で確認できる、ということです。

それによって、ファインダー上で事前にあれこれ絵作りを思案できます。

(ちなみにレンジファインダーのファインダーは、レンズを通した画像ではないので、レンズそれぞれのキャラクターが反映されませんし、フレーミングも正確ではありません)

そして、これこそまさに一眼レフの一眼レフたるゆえんなのです。

なぜなら、一眼レフの「一眼」は、レンズが一個、そして「レフ」はレフレックス、つまり反射。

一個の撮影するレンズから入ってきた光をミラーで反射させてファインダーに送り込む仕組みのことを指しているからです。

(ちなみに撮影用のレンズとは別にファインダー用のレンズが付いた「二眼レフ」というカメラもあります)

では、コンパクトデジカメやスマホも、レンズを通した画像を事前に画面上で見れるじゃないか、と思われるかもしれませんが、そこには光学式と電子式という違いがあります。

光学式とは、レンズを通過した光をじかにファインダーに送り込む方式。まあ、肉眼で見ているのと同じような感覚ですね。

対して電子式は、レンズを通過した光をセンサーに写し、その映像を見ています。要はテレビモニターを見ているような感覚です。

感覚上の違いもありますが、その他にモニター式には表示の遅延という問題があります。

それはつまり、モニターに写し出されるのは、実際よりも少し後の映像ということです。

なので、「今だ!」と思ってシャッターを切っても、実際には少し後の映像が撮れてしまうのです。最近はだいぶ改善されているようですが。

そしてこれは、いわゆる「ミラーレス一眼」と呼ばれるものも同じです。

ミラーレスは「一眼」とついていても、実際はレンズ交換ができるコンパクトデジカメ、と言ったほうが近いです。

画質について

次に、一眼レフの画質について。

「一眼レフカメラは画質が良い」などと、まことしやかに語られていますが、それは一体どういう意味でしょうか?

写真の画質は、主に、

  • レンズ
  • センサー
  • 画像処理アルゴリズム

によって決まります。

そして実際これらは、上記みた一眼レフという方式とは、何の関わり合いも無いものです。

ではなぜ、一眼レフは画質が良いと言われるのか。

それは、一眼レフという方式がもっとも万能にいろんな写真を撮れるので、各社もっとも力を入れる方式となっており、そのため一眼レフカメラに最も高画質のデバイスが奢られている、からです。

一眼レフだから高画質なのではなく、一眼レフという方式は高画質デバイスで作られている場合が多いという話です。

カメラの方式と撮れる写真の内容の違い

さて、一眼レフカメラの特徴についてみてきましたが、それが撮れる写真とどう関係があるのでしょうか。

まず、例によって、コンパクトデジカメおよび、レンジファインダーカメラと比較してみましょう。

コンパクトデジカメ

まず、コンパクトデジカメは、初心者でも使いやすいように工夫されていますが、そのかわり、撮影の自由度が低い。

つまり、絵作りにこだわるよりも、手軽にササッと撮るカメラです。

レンジファインダーカメラ

レンジファインダーは、まず構造上マクロや望遠が苦手。結果的に広角~標準になります。

また、ピント合わせがマニュアルしかないので、時間がかかるため、レンズの絞りを絞ってパンフォーカスにする場合が多くなります。

その結果、そのコンパクトさとあいまってスナップ撮影に威力を発揮します

参考:【一眼レフユーザーの皆さんへ】知ったら使ってみたくなる!?レンジファインダーの真の魅力

一眼レフ

さてそれでは一眼レフはどうでしょうか?

一眼レフはレンズバリエーションが豊富です。ほぼどんな撮影もまかなえます。

また、ファインダーでレンズを通した実像を確認することができ、絵作りには大変便利です。

また、オートフォーカスも搭載し、動きのある被写体も撮れます。

要するに万能なのです。ほぼあらゆる撮影ジャンルをカバーできてしまうのです。

初心者にとっての一眼レフ

さて、一眼レフカメラそのものについては、だいぶ理解できました。

次に、まだ一眼レフを持っていない初心者にとって、本当に一眼レフを買えばいい写真が撮れるのか、本当に投資に見合った価値があるのか、が気になるところです。

その点についてみていきましょう。

カメラに加えて必要なもの

一眼レフカメラは万能で、どんな写真でも撮れるという話でしたが、それはあくまで可能性の話です。

なぜなら写真を撮るのはカメラではなく、人間だからです。

最終的に何をどう撮るか決めるのは人間です。そこはいくら技術が発達したとはいえ、機械にはまだまだ判断できません。

それに、そこまで機械任せにしたら、我々の存在意義がなくなってしまいます。

つまり一眼レフとは、最もいろんな写真を撮れる可能性をもったカメラで、実際に撮れる写真の内容は、それを操る人間によって決まる、ということです。

しかし逆に、撮る人間の技術が優れていても、カメラがそれに対応できなければ、それはそれで撮れません。

つまり、いい写真のためには、撮る人の技術と、それに対応できるポテンシャルの高いカメラの両方が必要なのです。

すなわち「一眼レフ=いい写真が撮れる」ではなく、「一眼レフ+使いこなす技術=いい写真が撮れる」となるわけです。

まずこの時点で「全部カメラがやってくれる」と期待してた人は、買うのは止したほうがよいでしょう。なぜなら期待はずれになるからです。

カメラだけではなく、使いこなす技術も必要だということを理解されるならば、さらに次をみていきましょう。

一眼レフの実際

さて、撮影面に関しては万能と言われる一眼レフですが、いいことばかりではありません。

デメリットについても知っておく必要があります。

主な点は次の2点です。

  • 重い(かさばる)
  • 高い(値段が)

重さについて

この重さ(かさばり度)については、ハッキリ言って、お店でちょっと触ったくらいではわかりません。

一日中それを持ち歩いて、実際に使ってみないとわからないものがあります。

なにしろ、カメラボディだけでなく、交換レンズやアクセサリー類も運ばなくてはなりません。

そして何気に、それを運搬するカメラバッグ自体の重さも結構あります。

参考:カメラバッグは安物のほうがオススメな理由

そして、かなり多くの方が、その重さが原因で結局使わなくなってます

出費がかさむ

一眼レフは万能カメラだけあって、ハッキリ言って値段が高いです。

そして、忘れてはいけないのは、ボディ1台、レンズ1本買ったら終わりではない点です。

特にレンズ交換は、一眼レフの醍醐味でもあります。1本で終わるということはまずありえません。それだと一眼レフを買った意味が半分くらいしかありません。

2本目、3本目と必ず欲しくなります。

それに加えて、ストロボやら各種アクセサリーやらで、出費が際限ないです。そして、一個一個の値段がいちいち高い。

最初に買った時点では想像もつかないかもしれませんが、一度手を出すと、ある程度の出費は覚悟しておいたほうがいいでしょう。

結論

さて、一眼レフは買っただけでいい写真が撮れるような都合のいいものではないことがご理解いただけたかと思います。

最終的にまとめると、

「一眼レフ+撮る人の技術+運搬の苦労+膨大な出費=いい写真」

となります。これが現実です。

いい写真を撮るのは、簡単なことではないのです。

まとめ

さて、ながながと一眼レフについてみてきましたが、これを知ったうえで、まだ「やめとこう」とならずに、迷われるようでしたら、ぜひ買ってみることをオススメします

なぜなら、考えることと、体験することは、全く別のことだからです。

実際に買って、体験してみて初めてわかることがいっぱいあります。

結局やめるにしても、考えただけでやめるのと、体験した上でやめるのには雲泥の差があります。

そして、「やっぱり自分には必要なかった」という時には、ヤフオクで売るなり中古屋で売るなりの受け皿があります。

なんにせよ、写真とカメラに興味をもち、一眼レフを買おうかとまで検討しているあなたは、立派な写真好きです。

そんな写真好きなあなたが、一眼レフを知らずして一生を終えるなんて、ちょっと考えられません。

そこまで来たのなら、合う合わないはともかく、一度は体験しておきましょう

その経験はきっと無駄にはならないはずです。