写真プリントは「銀塩プリント」と「印刷」の2種類で考えるとわかりやすい

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写真をプリントしたり、フォトブックを作る時って、いろいろな方式がありますね。

  • 銀塩プリント
  • インクジェットプリント
  • レーザープリンター
  • 熱転写プリンター

などなど。

そして、同じ方式であっても、機械が違えば、発色の傾向や画質に違いが出てきます。

また、同じ機械でもペーパーが違えば、見え方や特徴も変わってきます。

さらに、表面にラミネートといって保護膜をかける場合もあり、そのラミネートの種類も、これまたいろいろあります。

そんなことを考えると、プリントのバリエーションはそれこそ星の数ほどあります

これほどのバリエーションの中から、最適な方法を選ぶのは、かなり困難なことでしょう。

そこで今回は、プリントの種類をざっくり「銀塩プリント」と「印刷」の2種類に分けて考えてみます。

複雑化した現在だからこそ、単純化することによって見えてくるものがあります。

それではいってみましょう!

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プリントの方式による違い

さて、たくさんあるようにみえるプリント方式ですが、大まかに2種類に分けることができます。

それが、「銀塩プリント」と「印刷」です。

最初に、プリントの方式として

  • 銀塩プリント
  • インクジェットプリント
  • レーザープリンター
  • 熱転写プリンター

を紹介しましたが、銀塩プリント以下の3つは全て「印刷」というくくりに分けられます。

銀塩プリントと印刷の違い

銀塩プリントと印刷の違いは、

  • 銀塩プリント=紙自体に発色する薬品(乳剤)が塗られている
  • 印刷=紙にインクをのせる

です。

銀塩プリントは、光によって、乳剤に含まれるハロゲン化銀を反応させ、反応した部分を現像することによって画像を得ます。

普通に考えれば紙の上に画像を描く場合、そんな複雑な方法よりも単純に「紙にインクをのせる」という方法を思いつくと思います。

なんでわざわざ、紙に薬品を塗り、それを化学処理によって発色させるのか?

それは、銀塩プリントのそもそもの由来が、ネガフィルムの画像をプリントするために作られたものだからです。

デジタルではないアナログの頃は、ネガの画像を直接銀塩ペーパーの上に照射して、プリントを得ていたのです。

昔は写真をプリントする、といえば、ほぼこれだけが唯一の選択肢でした。

しかし今はデジタルの時代になり、家庭でも手軽にきれいなプリントができるインクジェットプリンターが登場したり、レーザープリンターを利用したフォトブックが登場したり、さまざまな選択肢が出てきました。

それによって、便利になった反面、選択肢が多くて「迷う」という状況になっているわけです。

銀塩プリントと印刷の比較

それでは、銀塩プリントと印刷、それぞれの特徴を対比しながらみてみましょう。

画質について

まず気になるのが、銀塩プリントと印刷、それぞれ画質に違いはあるのか?ということです。

これについては「解像度」と「色」の両面から検証してみましょう。

解像度

解像度については現在、銀塩でも印刷でもどの方式でも300dpi以上あります。

300dpiということは、1インチ(25.4ミリ)の中に、点が300コあるということです。

その点が集まって、画像が形成されているということです。

そして、人間の目の分解能は0.1mmと言われています。

1mmのなかに10個までなら、点を点と認識できるということですね。それ以上だともはや点と点がくっついて見えてしまうということです。

300dpiということは1ミリの中に点が、約12コある計算です。

すなわち、人間の目の分解能を超えているということですね。

ちなみに、アップル社の「Retinaディスプレイ」は解像度220ppiですが、もはや点々を見分けることができません。

(「ppi」と「dpi」の違いについては、画像を構成する「点」を「ピクセル」と呼んでいるか「ドット」と呼んでいるかの違いで、意味は一緒です)

そんなわけで解像度については、どの機種も必要十分な性能を持っており、もはや比較する意味がない、ということになります。

現在画像の元となる原版は、全ての方式で8ビットのデジタルデータです。

それは、光の3原色であるRGB(レッド・グリーン・ブルー)の各色の明るさを256段階に分割し、その組み合わせでフルカラーを表現します。

つまり、「R」256段階×「G」256段階×「B」256段階=16,777,216色です。

これが現在世にある、ほぼ全てのプリンターの表現できる色の上限です。

各プリンターは、この色の情報を点に置き換え、その点でもって画像を描きます。

銀塩プリントの場合は、現在はレーザー光線で露光します。

RGBそれぞれの光線を256段階の強さで照射することによって、フルカラーを表現しているのです。

印刷の場合も方式によっていろいろですが、RGB各色を256段階に分けて、その組み合わせを色の1点に変換し、その1点1点の色で画像を形成するのは同じことです。

そしてその色数、16,777,216色という色数は、もはや人間の認識できる色数を超えています。

たとえば、

グリーン1これは「R=93・G=164・B=68」という色です。

グリーン2これは「R=92・G=164・B=68」という色です。

グリーン3これは「R=93・G=164・B=67」という色です。

グリーン1そしてこれはまた最初と同じ「R=93・G=164・B=68」という色です。

区別がつきますか?ほとんどつかないと思います。

もはや画質は「性能差」ではなく「好み」

結論として、画質の「性能面」についてはもはやどの方式も差はない、と言っていいでしょう。

なぜなら、解像度や色の表現力など、もはや人間の認識能力を超えるところまできているので、比較することに意味がないからです。

しかし、各マシンにおける発色の傾向や色味の差があることは事実です。

牛丼であれば、吉野家でも松屋でも、きちんと食べられる問題のない牛丼を提供しているのは一緒ですが、微妙な味付けの差やお店の雰囲気の差によって、吉野家が好きな人もいれば、松屋が好きな人もいます。

プリントの画質についてもそれと同じで、結局は「好み」という話になるのではないでしょうか。

方式による違い

さて次に、銀塩プリントと印刷の、「プリント方式」による違いをチェックしてみましょう。

薬品(ハロゲン化銀)を化学反応させて画像を得る銀塩プリントと、インクを紙にのせる印刷では、画像の質感にやはり違いが出ます。

銀塩プリントの「化学的な」特徴

銀塩プリントは、薬品を化学反応させて画像を作るという性質上、コントラストの強いエッジ部分がややにじむという特徴があります。

銀塩プリント

たとえば、銀塩プリント上にプリントされたこちらの文字。

もちろん、上記のアルファベットは全て同じポイント数(同じ大きさ)、同じウエイト(太さ)ですが、画像内にある3つの「e」を比べてみてください。

一番左の「e」と一番右の「e」は明らかに太さが違います。

そして、真ん中の「e」は黒い部分にかかっている下のほうだけ細くなっています。

これはどういうことかと言いますと、銀塩プリントは、「ハロゲン化銀」という物質に、光を当てて画像を形成します。

そしてこのハロゲン化銀は強い光が当たるほどより反応して大きくなり、光が弱いほどあまり反応しません。

画面内での「黒」の部分は、もっとも強く反応し、CMYの全てが最も強く発色している部分です。

そして「白」の部分は、全く反応していない部分です。

このように、「最も強く反応する部分」と「全く反応していない部分」が隣り合うと、最も強く反応する部分が反応しない部分を侵食してしまうのです。

これが、化学反応を利用する銀塩プリントのひとつの特徴と言えます。

写真の内容によって使い分ける

さて、エッジのにじみについては、この画像のようなコントラストの強い細い文字などでは不利ですが、この特徴は、画像を形成する点と点の「つながりのよさ」につながります。

つまり、なめらかな画像を得ることができる、というわけです。

銀塩プリントがよく「やわらかい質感」と言われるのは、こういう仕組みがあったのです。

ですから、人物中心の写真であったり、家族アルバムのためのスナップ写真などは、銀塩プリントが向いている、と言えます。

逆に、文字を多用したデザインされた画面や、微細でシャープな描写が重視される建築写真、それから葉っぱの1枚1枚まで解像したいようなある種のネイチャー写真などは、印刷が向いていると言えるでしょう。

この、「やわらかさ」と「クッキリさ」はそれぞれ銀塩プリントと印刷の特徴なので、写真の内容によって使い分けるとよいでしょう。

紙の特徴

次に銀塩ペーパーと印刷の「紙」自体の特徴の差についてみていきましょう。

水濡れOK

これは、銀塩ペーパーと、印刷との大きな違いのひとつです。

銀塩ペーパーはそもそも、液体の薬品につけて処理します。

だから、水にぬれてもOKなのです。

震災で流された写真も、銀塩プリントはかなりの程度復活しました。

この、「モノ」としてのタフさは銀塩ペーパーの特徴と言えるでしょう。

紙と画像の一体感

銀塩プリントの紙は、紙自体にそもそも、画像の元となる乳剤が含まれています。

ですから、紙と画像の一体感が最も大きい、と言えるでしょう。

印刷は紙の上にインクを「のせる」ことによって画像を形成しますが、銀塩は画像が紙に含まれている、という感じです。

とくにインクジェットプリントで顕著ですが、印刷だと紙白(紙の地)とインクが乗っている部分の質感がとても違って見える場合があります。光にあててみると違いがよく分かります。

そのためインクジェットでは、紙白の部分にもあえてうっすらとインクをのせる、というテクニックも存在したくらいです。

ちなみに、銀塩プリントはアート写真の分野で最も利用される方式ですが、それは、銀塩プリントが長い歴史のある方式であると同時に、紙自体の「モノ」としての質感の高さが影響しているのかもしれません。

価格という手掛かり

もはやこの時代、プリントは何を選んだとしても、問題はありません。ただ「傾向」と「好み」があるだけです。

そして、その好みは、吉野家と松屋を実際に食べ比べてみないと分からないように、実際に手にとって、手触りも含めて「感じて」みないと、実感することはできません。

しかし、実際に現物を目で見て、違いを実感したとしても、どれがいいか選べない時もあります。

そんな時の手掛かりとして、「価格」を挙げておきましょう。

「銀塩プリント」と「印刷」というジャンル違いでの比較は、あまり通用しないかもしれませんが、「銀塩プリント内」、「印刷内」であれば、価格が高いほど品質が良い(はず)です。

好みがない、あるいは選びきれない、という場合は、「価格」をひとつの参考にするとよいでしょう。

まとめ

さていかがでしたでしょうか。

複雑すぎるプリント市場の状況も、「銀塩プリント」と「印刷」という、もっとも大まかなくくりにすることによって、スッキリと理解できたのではないかと思います。

大切な写真はデータだけでなく、プリントとして形に残しておきたいものです。

今回の記事を参考に、ぜひ納得のいくプリント方法を見つけてみてください。